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甘草注射の効果:慢性疲労や消化器の健康にどのように役立つか
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甘草注射の効果:慢性疲労や消化器の健康にどのように役立つか
甘草注射とは何か、どのように作用するのか、そしてあなたの健康の道筋にどのように役立つ可能性があるのか、一緒に見ていきましょう。
リコリス注射は、甘草(かんぞう)根に含まれる有効成分「グリチルリチン」を滅菌処理したうえで、筋肉注射や静脈注射によって直接血流に投与する治療法です。経口サプリメントとは異なり、消化器官を通さずに体内へ吸収されるため、より速やかで効率的な効果が期待できます。グリチルリチンには、炎症を調整する作用、副腎ホルモンのバランスをサポートする働き、胃などの粘膜を保護する効果、さらに抗ウイルス作用や肝臓の機能を助ける働きも認められています。
当院に来院される患者様の中で最も多く、そして誤解されがちな理由のひとつが「疲労」です。これは一晩ぐっすり眠れなかった時のような一時的な疲れではなく、休んでも回復しない、深く持続する疲れが特徴です。多くの方が「普通のこと」や「ただのストレス」と考えてしまいがちですが、特にソウルのような忙しい環境ではその傾向が強いです。
しかし、慢性的な疲労は注意が必要なサインです。疲労が6ヶ月以上続き、日常生活に支障をきたし、明確な医学的原因が見当たらない場合、体の中で何らかのバランスの乱れが起きている可能性があります。当院で診察する多くのケースでは、軽度の炎症、アドレナリン反応の低下(コルチゾール値の低下)、消化機能の不調、免疫システムの乱れなど、隠れた原因が見つかることがあります。
このような時にグリチルリチン(甘草由来成分)は特に役立ちます。カフェインやサプリメントのように単にエネルギーを刺激するのではなく、体が持っている資源をより効率的に管理し、維持できるようサポートします。
コルチゾールは、体がストレスを感じたときに分泌される主要なホルモンで、エネルギーや血糖値、炎症、気分の調整に大きな役割を果たしています。長期間のストレスや病気からの回復期には、副腎がコルチゾールの分泌に追いつかなくなることがあります。その結果、朝は頭がぼんやりしたり、夜は疲れているのに眠れなかったり、少し動いただけでも回復しにくくなったりします。
グリチルリチン(甘草の有効成分)は、11β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素という酵素の働きを抑えることで、コルチゾールの分解を遅らせます。つまり、体内のコルチゾールが長く維持され、急激に消費されるのを防ぎます。これは刺激剤ではなく、体のリズムを自然に整える穏やかなサポートです。
慢性的な疲労の原因のひとつに、体内で続く軽度の炎症があります。グリチルリチンは、TNF-αやIL-6といった炎症性サイトカイン(免疫反応を促す物質)の働きを抑えることが知られています。これらは自己免疫疾患や長引く新型コロナ後遺症、ウイルス感染後の疲労症候群などで高くなることがあります。Sangdo Woori 内科クリニックでは、ウイルス感染後に疲労が続く患者さんに、短期間の甘草注射が効果を示すことがあります。
甘草は昔から肝臓の働きを助けるために使われてきました。特に肝炎や肝機能が低下している場合に有効です。肝臓はホルモンの分解や毒素の処理、エネルギーのバランス調整を担っています。肝臓が少しでも疲れていると、疲労感や頭のもやもや、消化不良の原因になることがあります。Sangdo Woori 内科クリニックの臨床経験では、原因不明の疲労や軽度の肝機能異常がある患者さんが、甘草によるサポートで改善するケースも見られます。
疲労と消化機能は、思っている以上に深く関係しています。腸の粘膜が炎症を起こしたり、バリア機能が低下したり(いわゆる「リーキーガット」)すると、免疫反応が活発になり、エネルギーが消耗されやすくなります。甘草は腸のバリアを強化し、炎症を抑え、腸内環境のバランスを整える働きがあります。特に、疲労とともに膨満感や便通の乱れ、食物アレルギーなどの消化器症状がある方におすすめです。
胃粘膜を守る:グリチルリチン(甘草の有効成分)は、胃の粘液分泌を促し、胃酸によるダメージを軽減します。特に、ストレスや薬の副作用、ピロリ菌による慢性胃炎の方に効果的です。
過敏性腸症候群(IBS)や機能性消化管障害の緩和:膨満感やガス、原因不明の腹部不快感がある方には、グリチルリチンの抗炎症作用が症状の改善に役立ちます。食事や腸内環境のケアと組み合わせることで、より効果が期待できます。
腸内の炎症を抑える:甘草は消化管の免疫反応を穏やかにし、食物過敏症や腸のバリア機能低下、免疫の過剰反応による症状を和らげます。
すべての治療法と同様に、甘草注射にも副作用の可能性があり、適切に使用することが大切です。主な注意点は、グリチルリチンが体内の電解質や血圧にどのように影響するかです。過剰または長期間の使用は、以下のような症状を引き起こすことがあります:
血圧の上昇
むくみ(体内の水分がたまること)
低カリウム血症(血液中のカリウムが少なくなること)
筋力低下や不整脈(心臓のリズムが乱れること)
そのため、Sangdo Woori 内科クリニックでは、治療開始前に患者様の状態をしっかりと確認しています。血圧や腎機能、血液中の電解質を定期的にチェックし、多くの場合、1〜2回/週の注射を4〜6週間続けた後、再評価を行う短期間の治療サイクルを採用しています。高血圧や心臓病、慢性腎臓疾患のある方には、他の治療法を提案したり、投与量を慎重に調整したりすることもあります。
大切なのは、患者様一人ひとりに合わせた治療です。決まった量やスケジュールはなく、個々の体質や状態に合わせて、メリットがリスクを上回るように一緒に考えていきます。
私たちの臨床経験から、甘草(リコリス)注射が特に効果を期待できる方は以下のような患者様です:
休息や睡眠をとっても改善しない慢性的な疲労を感じている成人の方
新型コロナウイルス感染症(長期症状)、伝染性単核球症、または慢性的なウイルス感染から回復中の方
慢性的な膨満感、胃炎、または消化器の炎症が続いている方
朝のエネルギー不足やストレスへの抵抗力低下など、軽度の副腎疲労の症状がある方
食物過敏や腸のバリア機能低下(腸管透過性亢進)が疑われる方
疲労感や胃腸の不調、代替療法についてご相談に来られる患者様には、まずしっかりとお話を伺うことから始めます。その後、血液検査や画像診断、食生活の確認、ストレスの傾向などを総合的に調べ、患者様の状態を詳しく把握します。そのうえで、甘草注射(リコリス注射)は治療計画の一部として慎重に検討します。
初回評価:詳細な問診、血液検査、身体診察を行います。副腎の状態、甲状腺機能、消化器の健康、肝機能、栄養状態などを確認します。
個別に合わせた投与方法:患者様の体質やご希望に合わせて、筋肉注射または静脈注射で投与します。投与量やスケジュールは慎重に調整し、個別対応します。
経過観察:毎回の治療後に、エネルギーの回復具合、消化の状態、気分などを確認し、血液検査などで安全性もチェックします。
補助療法:必要に応じて、食事の見直し、漢方薬、プロバイオティクス(善玉菌)、ストレス管理法、追加検査などもご提案します。
私たちの目標は、一時的な刺激ではなく、患者様が本当に元気を取り戻せるようサポートすることです。
当院の理念は、次の3つの価値観に基づいています:
明確さ:流行や噂に流されず、すべての判断や治療について丁寧にご説明します。
個別対応:疲労の原因や症状は人それぞれ異なります。お一人おひとりの体質や状態に合わせた治療を行います。
継続的なサポート:治療は一度きりで終わりません。回復から健康維持、さらなる成長まで、ずっと寄り添い続けます。
甘草注射は万能薬ではありませんが、適切な患者さんに適切なタイミングで行うことで、回復の大切な一歩となることがあります。もし慢性的な疲れや消化の不調、なんとなく体のバランスが崩れていると感じているなら、一度じっくりご自身の状態を見直してみませんか。
もしこの内容に心当たりがある方は、ぜひ一度、総合的な診察をご予約ください。次の一歩は、意志の力やサプリメントを増やすことではなく、あなたに合った気づきとケアかもしれません。